避妊の効果


避妊法にはさまざまな方法がありますが、どのような避妊法でも100%完全な避妊法はありません。卵管結索やパイプカットといった不妊手術を行っても、わずかでも妊娠の可能性はあります。

避妊をせず、子供を望んでいる(定期的に性行為を行っている)カップルでは、女性が1年後に妊娠する可能性は85%程度と言われています。これは、パールインデックス(PI)という指標を用いて計算した結果です。

パールインデックスとはある避妊法を一年間用いた場合に、避妊に失敗する確率を示し、100人の女性が1年間その避妊法のみを用いた場合に1年後に妊娠している人数に基づいて計算されます。

各避妊法のパールインデックスは、

・基礎体温法 約3%
・オギノ式 約9%
・殺精子剤 約6~26%
・ペッサリー 約6~20%
・女性用コンドーム 約6.3%
・IUD(子宮内避妊具)約0.1~2.0%(銅付加IUDの場合)
・ピル(経口避妊薬)約0.1~5%
・男性用コンドーム約3~14%
・不妊手術 約0.5%(女性の場合)約0.15%(男性の場合)

一般的にはパールインデックス、という言葉は用いず、単に各避妊法について、「妊娠する確率」「避妊に失敗する確率」という言い方をすることが多いようです。

また、パールインデックスは避妊効果自体を指すものではなく、各避妊法の効果を比較するための数値です。

実際の避妊法の効果は、使用方法によって結果が異なったり、使用回数が増えるほど使い方に慣れて避妊効果が上がったりと、さまざまな要素の影響を受けます。いうまでもなく、避妊法が効果を発揮するには各避妊法ごとの正しい使用方法を知って確実に行うことが必要です。たとえば、ピル(経口避妊薬)の避妊効果は非常に高いのですが、飲み忘れてしまうと効果は発揮されません。男性用コンドームはよく用いられる避妊法ですが、コンドームを装着するタイミングや、射精後の抜き取り方などの使い方で避妊に失敗することもあります。

しかし、このように比較してみると、利便性や手軽さから選んだ避妊法が意外と失敗する可能性があることが分かり、他の避妊法と組み合わせることを考えることができます。そのような意味で、避妊法の効果を比較することは、確実な避妊法を選択するための情報として有効です。





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