緊急避妊


性交後、妊娠の可能性がある場合に妊娠を回避する方法を緊急避難避妊法といいます。コンドームやピルで避妊していたが、コンドームが破れたり取れたり、ピルを飲み忘れたという場合、また暴力による性行為の強要などの場合に用いられます。

緊急避妊のためのヤッペ法では、性交後72時間以内に中用量ピルを2錠服用し、その12時間後にさらに2錠服用します。このように事後に妊娠を回避する目的で使用されるピルをモーニングアフターピルとも言います。中用量ピルは普通避妊のために処方される低用量ピルよりもホルモンの量が多く、排卵前であれば排卵を抑制して受精を防ぎ、排卵後であっても子宮内膜の状態を変えて受精卵の着床を防ぎます。ホルモン長が多いため、中用量ピルを服用すると吐き気や嘔吐などの副作用を伴うことがあります。通常はこのような副作用は24時間以上は継続しません。

ただし、ピル服用後2時間以内に吐いてしまった場合、医師に相談して下さい。時には追加してピルを服用する必要があります。

緊急回避避妊法として、もう一つの方法は、性交後5日以内にIUD(子宮内避妊具)を挿入するというものです。子宮内にIUDを挿入することで子宮内膜の状態を変え、受精卵を着床を防ぎます。IUDは出産経験のない女性では子宮口が開いていないために挿入時に痛みがあったり、挿入が難しかったり、麻酔が必要になったりすることがあります。IUD挿入の費用は数万程度と、中用量ピルよりも高くなります。

どちらの緊急避妊法も完全に妊娠を回避できるわけではなく、避妊の成功率はヤッペ法で95~98%程度と言われています。

避妊に失敗し、妊娠を避けたい場合には、できるだけ早く医師に相談し、自分に適した方法をとるようにしましょう。緊急避妊の対応をしてくれる医師はホットライン(03-3235-2638)で照会することもできますが、できればかかりつけの婦人科を持ち、普段の月経の状態などをわかってもらっている医師に相談できるのがベターですね。緊急避妊法による避妊が性交したかどうかは、処置後すぐにわかるわけではありません。数日ないし数週間後に月経があって初めてわかるわけです。もし、予定月経が一週間以上遅れるようなことがあったり、心配なことがあったりしたら、婦人科医に相談しましょう。





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