ペッサリーは、ピアノ線の円形の輪に、弾力性のあるおわん型のゴムを張った女性が装着する避妊具です。女性の子宮口にふさぐことで、精子が子宮内に入らないようにします。男性のコンドームに対して、「女性のコンドーム」という呼び方もされていましたが、現在では、ペッサリーとは別に女性用コンドームが市販されています。
ペッサリーの使用にあたっては、婦人科で子宮口の大きさを測り、自分に合ったサイズのペッサリーを選んでもらう必要があります。
ペッサリーを使用するメリットは、
・女性が主体的に使って避妊をすることができる方法である。ピルを使用すことができない人には適している。
・避妊ゼリーと併用するために、避妊効果が高くなる。
・副作用がない
・正しく使えば、ひとつのペッサリーを3年程度使い続けることができる。
・サイズが合えば違和感なく使用することができる
などです。
短所としては、
・ 婦人科で子宮口のサイズを測る必要があり、薬局などで購入することができず、入手が面倒である。
・ 装着がむずかしいこと
などがあります。
ペッサリーを使う際には、直接膣内に手で挿入しますので、手をよく洗ってから、ペッサリーの両面に避妊ゼリーを塗ります。ペッサリーを2つ折りにして人差し指を中央にあて、腟内に挿入し、子宮口に突き当たったら指を離します。ペッサリーの端を恥骨の裏のくぼみに固定し、きちんと装着されているかどうか確認します。違和感がある場合はきちんと装着されていないことがあるので注意が必要です。
2回目以降は、ゼリーのみ追加します。ペッサリーをはずすのは、最後のセックスから6~8時間以上経過して避妊ゼリーにより精子が死滅してからはずします。ペッサリーをはずした後は、お湯で洗ってから、片栗粉をまぶし、直射日光が当たらない涼しい場所で保管します。はずすのを忘れていると膣炎などを起こすことがあるので要注意です。使い捨てではないという点は、コスト面ではプラスなのですが、その分衛生面や破損しないように、取り扱い・保管には注意が必要です。また子宮口の大きさや形は変わることがありますので、定期的に検査をする必要があります。
現在では、より簡便で確実な避妊法が普及しているため、ペッサリーは日本ではあまり使われていません。