避妊の方法


避妊の方法は、妊娠が成立するまでの過程における

・ 女性の卵巣からの排卵を抑制する
・ 排卵し受精する可能性がある期間(妊娠可能日)の性交を避ける
・ 男性の精子が女性の子宮内に入り、精子と卵子が受精することを阻害する
・ 受精卵が子宮内膜に着床することを阻害する

のいずれかの方法をとります。

排卵を抑制する方法としては、女性がピル(低容量ピル)を服用します。ピルには微量の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が含まれています。月経時には分泌量が低下する女性ホルモンを薬として補いつづけることで妊娠時と似たような状態を作り出して次の排卵を抑制します。また、ピルには膣内の粘液の質を変化させて精子が子宮内に侵入することを防いだり、ピルに含まれる女性ホルモンの働きで子宮内膜が厚くならないために受精卵が着床しにくくなる、という効果もあります。

オギノ式、基礎体温法は、月経周期から次回の排卵日を予想し、その前後の妊娠する可能性が高い期間のセックスを避ける方法です。月経周期を正しく把握するために、一定期間の月経の記録を行う必要があり、月経周期が不順である女性では排卵日を予測しにくかったり、また普段規則的に月経がある女性でも何らかの理由で排卵日がずれることもあるため、コンドームなどの他の避妊法と併用したほうがよいでしょう。

男性の精子が女性の膣・子宮内に入ることを物理的に阻害する方法として、もっとも一般的なものはコンドームです。従来は男性用コンドームがよく使われていますが、女性が装着する女性用コンドームもあり、陰茎がほぼまったく女性の膣に触れることがないため、男性用コンドームよりも避妊の成功率は高いとされています。また、
ペッサリーは女性の膣内に挿入して子宮口に蓋をしたような状態で、精子が子宮に侵入することを防ぐ器具ですが、装着の仕方がやや難しく、最近ではあまり用いられていません。

IUDは子宮内に装着することで、受精卵が子宮内膜に着床することを防ぐ器具です。装着には婦人科での診察、処置が必要です。銅付着タイプのIUDの避妊率はほぼ100%に近いと言われています。

避妊法には、避妊の成功率、利便性、副作用などの長所・短所があります。日本では10代から閉経する年代の女性まで、年代に関わらず、避妊法として男性用コンドームが多く使用されていますが、年齢や、あるいはカップルの関係や仕事などのライフプランに合わせて、様々な避妊法から自分とパートナーに合った避妊法を選択することが、セックスライフを大切に考え、人生を豊かなものにするのではないでしょうか。





[0] TOP