ミレーナ避妊法


ミレーナは子宮内に装着する避妊具である、という点はIUDと同じで、IUDの中の1種とされているケースもあります。

ミレーナの避妊の仕組みは、中央の部分から女性ホルモンの黄体ホルモン(プロゲステロン)が持続的に子宮内に放出されることで、黄体ホルモンの働きにより、子宮の入り口である子宮頚管の粘膜を変化させて精子が子宮内に進級することを防ぎ、子宮内膜の増殖を防いで受精卵の着床を阻害する、というものです。ミレーナは女性ホルモンの働きを利用した避妊具なので、同じようにホルモンを使用したピルの月経困難症や子宮内膜症の改善効果と、IUDの2~3年装着したままにできる、という長所を兼ね備えています。

ミレーナは子宮内に装着するので黄体ホルモンが働きかけるのは子宮内膜局所となり、経口避妊薬であるピルのように全身にホルモンが作用することで起きる体重増加などの副作用はほとんど見られません。また、ピルは授乳中には飲むことができませんが、ミレーナは母乳への影響がないため、産後子宮や膣の状態が回復すれば装着することできます。ピルと違って飲み忘れによる避妊の失敗もありません。

ミレーナを装着していると、黄体ホルモンの働きによって無月経になることがありますが、卵巣は正常に働いていますので、妊娠を希望する場合にははずせは生理が再開し、妊娠することができます。

ミレーナの装着は婦人科で行います。費用は自費負担となり7、8万円程度かかります。出産経験のない女性では子宮口が開いていないため装着時に痛むことがあります。

ミレーナは避妊効果が高い避妊方法として、またホルモン作用による月経困難症の緩和、更年期のホルモン補充などの効果が期待できるため、最近注目されています。一方で、子宮内に異物を挿入することではあるので、装着している間は婦人科での定期的な検診を受け、自分の身体の状態をチェックすることが大切です。

また、ミレーナを装着していることでコンドームを使用しない性行為を行うと、性感染症のリスクは高くなりますので、セーフセックスのためにはコンドームを使用する必要がある、ということを意識して、コンドームを使わないのであれば、男女とも定期的に性感染症の検査を受けるなど、リスクを減らすようにしたいものです。





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