IUD避妊法


IUDは子宮内装着型の避妊具で、FD-1、銅付着型などの種類があります。かつては形状から「避妊リング」という呼び方をされていました。FD-1は製造が中止されていますが、使用期限はないため現在でも在庫が使用されています。IUDによる避妊の仕組みは、子宮内にIUDを装着することで子宮の中の環境が変わり、受精卵の着床を阻害して妊娠を防ぐ、とされています。IUDの避妊効果は98%程度です。

コンドームなど他の避妊法に失敗したり、暴力によって性行為を強制されたりした場合に、5日以内に挿入することで避妊の効果が望めるため、緊急避妊法としてIUDが用いられることもあります。

一度装着すると2~3年はほぼ避妊を気にせずに性生活を送ることができるため、出産後、次の子供まで2年程度間をおきたい、というような場合に適しています。出産後は2ヶ月程度経過し、子宮や膣の状態が回復してからIUDを装着します。

IUDの挿入は婦人科で行います。費用は自費となり、2万~9万円程度かかります。挿入後は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月と定期検診を受けることが大切です。

IUDは妊娠中または妊娠の可能性がある女性は使用することができません。また、出産経験のない女性は子宮口が開いていないため、IUDの使用には向かないと言われています。IUD装着の副作用としては、月経期間が長くなったり、経血の量が増えたり、下腹部痛があったりといった月経への影響が上げられています。また、MRI検査を受ける際に、IUDが問題となることがあり、銅付着型IUDを他のタイプのものに入れ替えたり、一度IUDをはずしてMRIを受けてから再度挿入する、といった場合もあります。

IUDの避妊効果は高いのですが、IUD使用しているという理由でコンドームを使用せずに性行為を行うことで、性感染症に感染するリスクは高くなります。IUDを装着していてもセーフセックスという点からはコンドームを使用することが望ましく、もし、コンドームを使用しないのであれば、定期的に性感染症の検査を受けるようにしましょう。
IUDは安全な医療器具ですが、身体の中に異物を入れる、という点では誰でもが使えるわけではなく、使っている場合は定期的に検査を受けて自分の健康管理をしっかり行うことが大切です。





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