ピル避妊法


ピルには微量の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が含まれています。月経時には分泌量が低下する女性ホルモンをピルを服用して補って妊娠中と同じような状態を作り、脳視床下部からは卵胞刺激ホルモンの分泌が抑制され排卵が起こらなくなります。

ピルには排卵抑制作用だけではなく、含まれる女性ホルモンの働きにより、膣内の粘液の質を変化させて精子が子宮内に侵入することを防いだり、子宮内膜が厚くならないために受精卵が着床しにくくなったりする、という点からの避妊効果もあり、現在用いられている避妊法の中では確実度が高い避妊法です。

ピルを使用するには、婦人科の医師の処方箋を持って薬局で処方してもらいます。

1回の処方で渡されるピルは多くても数周期分なので継続してピルによる避妊をするには数ヶ月に1回は婦人科を受診する必要があります。1周期分のピルの費用は3000円程度でこれに診察料(初めて受診する婦人科であれば初診料も)がプラスされます。

ピルは生理の1日目から飲み始め、毎日決まった時間に飲むようにします。もしも飲むのを忘れてしまったときには、すぐに気がついた場合はその時点で飲み、翌日から再び決まった時間に飲むようにしますが、48時間以上経ってしまった場合は、医師に相談します。

ピルを服用している間は、月経はなく、微量の消体出血という出血があります。月経がないので、生理痛などの月経に関するトラブルを軽減する効果もあり、子宮内膜症などの対症療法としてピルが用いられることがあります。

現在日本で用いられている低用量ピルは女性ホルモンの量が少なく、吐き気や体重増加、血栓症などの副作用は相当軽減されていますが、やはり副作用は0ではなく、妊娠中また妊娠の可能性がある女性、エストロゲン依存性腫瘍のある女性、心臓、肝臓などの疾患のある女性はピルを使用することができません。

また、女性が主体的に避妊をすることができる、というのもピルのメリットなのですが、ピルを飲むことでコンドームを使用しなくなると、性感染症のリスクが高くなるというデメリットもあります。

ピルはやはり薬ですので、毎日決まった時間に飲み続けることができるか、体質にあっているか、なども考慮し、婦人科の医師と相談しながら上手に使うことが必要です。





[0] TOP